愛は
人間のものじゃない
そう
決して
断じて
人間のものにできやしない
愛は
物語を作る
そう
人間の側から見たら
気の長い物語
愛は
男をして 女をして
その部屋のカーテンをして
アスファルトをして 蝶をして
あらゆるすべてに染み渡り
一つの花を咲かせる
そして 散る
だから
はじめのステージにおいて
必ず 像 が必要だ
像
それは現代では 鏡 と呼ばれる
ガネーシャっていう神様を拝むのに
像が要るんだ
でも
像はガネーシャじゃない
愛を知るために
愛人が要る
それは 像 だ
像の向こうに渡るために
像は遅かれ早かれ破戒される
誰に?
故人はそれを神様と呼んだ
神は君に
像を与え
そして奪う
そしたら何が残る?
見つめていた鏡が割れて壊れたら・・・
何が見える?
幻想が破壊されて
愛が
あらゆる全てに
再び
染み渡る
彼が 彼女に会いにくる
人間の目にはそう見える
彼の足を動かす力
その衝動
愛
彼女が 彼を拒絶する
その衝動
愛
彼がいないとき
愛だけがここにある
彼女がいないとき
愛だけが
得て 失う
僕たちは豊かになる
男と女が死ぬとき
僕たちは愛に還る
飽きることなく生まれては死に
作っては壊し
それでも
愛は終わりを知らない
愛は力
蝶を飛ばし
カーテンを支え
男と女を描くその腕
愛は
今この瞬間を
永遠にクリエイトする
飽くなき戯れ
愛してるかい?
愛そう
地上の何者にも頼ることなく
久遠の愛であるあなたに
祝福をこめて
光平