じじいの戯言 あなたは紙

 

みんなそれぞれ
見たい世界を見るために
この世に生まれてきている 
 
神様に真っ白い紙を一枚
ぺろっともらってきたようなもの
 
どうしようもなく惨めな人生
金稼ぎに没頭する人生
家族愛を表現する人生
なんでも好きな絵を描ける
 
しかしいつの間にか
絵を描くことに没頭しずぎて
真っ白いキャンバスのことを忘れてしまうのである
 
この真っ白いキャンバスが
私である
 
真っ白い光そのものが
私である
 
真っ白い私に描いたものが
私となるこの世界
 
本当の私は誰でもない
 
ファイナルファンタジーでは
それを『すっぴん』と呼ぶ
 
すっぴんの私を知るためには
人生に余白が必要だ
 
しかしそれはエゴにとっては
ほとんど死を意味するだろう
 
だが面白いことに
ゲームの中で一番最強なのは
すっぴんだったのだ
 
神様からわけてもらった
紙そのものが私である
 
 

 

 

この記事をシェアする

コメントを残す