いい人になろうとするのも努力
悪い人に
わざわざなろうとするも努力
何かになろうとする努力は
結局のところ
失敗する運命にある
だからと言って
何かになりたい！
そんな願望が湧いて来たのなら
それを無視するわけにはいかない
これが
人間が背負って来た矛盾
人生は
実にパラドックスに満ちている
失敗するとわかっていても
それをする運命にあるのなら
やっぱりそれをしなきゃなんだ
しかも一生懸命
それをするんだ
なぜなら
一生懸命それに命を懸けて生きたらば
それになるorならないを越えた世界が
ズバン！と開ける
いい人でもなく
悪い人でもない
ただの誰でもない私
そんな私に
一体誰が初めから成りたがる？
美女でもなく
醜女でもない
ただの誰でもない私
そんな私に
一体誰が初めから成りたいものか？
でも
そんな誰でもない私であるとき
理屈ではない
根拠のない
大安心がある
今ここにある
それは
そんな私であるということ
何も過去を持ち運んでいないって
そういうこと
比較する対象は
過去からやってくる
それが
ストンと落ちてしまったらば
頭の理解ではなく
本当に落ちてしまったらば
どうやって美醜を比較するだろう？
君は
今この瞬間
美しくも醜くもない
でも
それでも僕はこう言う
今この瞬間にいる君は
美醜という比較の意味ではなく
絶対的に
ただただ美しい
コップにはコップの美しさがある
大根には大根の美しさがある
雑草には雑草の美しさがある
君には
君の美しさがある
目の前の人の顔を
ちゃんと見たことがあるだろうか？
その微細な光の陰影
それはその瞬間だけの作品
夕日の輝きにも劣らない作品
今目の前にある風景を
一枚の絵画として眺めたことがあるだろうか？
今耳に聞こえる音を
一連の音楽として聞いたことがあるだろうか？
つまらない？
うん
つまらないって
頭は言うだろう
だから
やり尽くす必要があるんだ
つまんない！
そこから抜け出すための
あらゆることを
納得するまで
とことんやり尽くす必要があるんだ
もう努力をし尽くすんだ
イヤというほど！
そうして初めて
今ここにあるものに目が向く
今この瞬間ここにあるもの
それが神様が
君に与えうるすべて
今ここにある豊かさを祝福するのなら
それがもっと与えられる
逆に
今ここにない不足物を祝福するのなら
さらに不足が与えられる
本当にシンプルなんだ
さあ
何かになろうとすることをやりつくし
今ここへ
誰でもない私へ
努力することを通して
努力を破壊すべし
努力したい
それが内側から湧いてくるのであれば
そこから逃げることなかれ
ここにおいで
ここに
愛と祝福をこめて
光平