ひとりで生きているのであれば
人は語るべき言葉も持たない
僕に言葉を話させるのは
目の前にいる君だ
君がいるから
僕は言葉を持つ
君がいるから
力が湧いてくる
エネルギーが
奥底から
みゃくみゃくと
湧いてくる
そしてそれは
言葉となり
流れ出す
君を見つめる瞳となり
君に笑いかける微笑みとなり
僕たちを包み込む
風となる
肉体を持って
君に会えること
これは至上の喜びなり
形を持たない君が
今
形を持ってここにいる
そんな君が
僕の形をも教えてくれる
形を持って出会い
形を持って別れる
その背景に
いつも愛がある
愛は形を持たない
でも
愛は
この形の世界で
表現されたがっている
形の世界に憧れた愛は
形を持つ制限の中で
迷子になる
形を持つことは
苦しみのはじまり
苦しみとは何か?
形をより良くしようと躍起になって
形なき愛を忘れてしまうこと
本当の自分を
みごとに忘れてしまうこと
ボロボロになるまで傷ついて
愛する人の血が流れ
やっとのことで正気に戻る
俺は何てことをしでかしたんだ
私は一体何をやってしまったの
無意識の傷をまじまじと眺めつつ
ここに戻ってくる
君と僕とは
何の違いもない
一人の人間を
左から見たのと
右から見たのとの違いくらい
それくらい
同じ人間だ
そんな君が
僕を支えてくれている
形なき君が
形を持って
ここにある
惚れ惚れするほどの美しさだ
君を流れる命の輝き
それが
僕の姿を教えてくれる
僕は自分を見ることができない
君を通して
僕を知る
君がいるから
僕がいる
形もつ君に
恋をする
そして
形が奪い去られるそのとき
ここに
愛がある
愛は
いつもここにある
ここにありっぱなしなんだ
ここを去るのは
形ある人間の仕事
形を持ちつつ
ここに帰ってくるのが
愛の仕事
あなたの内なる愛に
敬礼しつつ
愛と祝福をこめて
光平